海外ファンド・ヘッジファンド投資の基礎知識

  海外のお金持ちが投資する海外ファンドヘッジファンド)は、景気の変動に関わりなく、すばらしい運用成績を残しています。
  英会話ができない私でも、渡航もせず海外ファンドを入手できるんですね。そんな魅力ある海外投資の基礎知識集です。


【ヘッジファンドの投資戦略とパフォーマンス】

                              外資ファンド利回り20%のからくり」 北村 慶 著

    2005年6月30日現在

 ヘッジファンドの投資戦略       概要  '94/1〜
 年平均
 リターン
リスク
(標準
偏差)
シャープ
レシオ
CSFB/Tremont
ヘッジファンドインデックス
ヘッジファンド全体の総合的利回り 10.61% 8.01% 0.85
@マーケットニュートラル
 (株式市場中立)戦略
株式の売りと買いを同額行って相殺し、市場全体からの影響を排除し、個別株式の選択リスクを取る 9.94 2.99 2.05
A方向性重視
株式ロングショート)戦略
株式の買いと株価指数オプションの売りを組み合せ、上げ相場の時には買い持ち、下げ相場の時には売り持ちを増やす 11.63 10.44 0.75
Bショート・セリング戦略 株価がその企業の実態を反映せずに高騰していると判断した場合、第三者から株を借りそれを売却(空売り)することで利益を得る -2.38 17.63 -0.35
Cエマージング市場戦略 情報の歪の大きい新興国市場の株式または債券に投資するもの 7.75 16.70 0.24
Dイベント・ドリブン(主導)戦略 合併、財務リストラ、破産、組織再編等の企業に関する重要なイベントが創出する価格変動を捉えようとするもの 11.48 5.74 1.34
Eグローバル・マクロ戦略 世界各国のあらゆる金融商品間の不均衡に対し、マクロ経済や政治のイベントが与える影響を予測し、レバレッジを効かせた投資を行う(ジョージ・ソロスが代表例) 13.57 11.35 0.86
Fマネージド・フューチャー戦略 デリバティブを用いて全世界の商品先物市場や上場金融先物に投資を行う。通常CTA(商品先物)と呼ばれる 6.58 12.2 0.23
G転換社債アービトラージ戦略 株と債券の両方の特性を持つ転換社債の複雑な価格形成を利用し、アービトラージ(裁定)利益を得る 8.63 4.84 1.00
H債券アービトラージ戦略 各国の国債・社債・地方自治体債・MBS(モーゲージ担保証券)・金利スワップなど金利関連証券間の価格の歪に着目して利益を得る 6.4 3.82 0.68
Iマルチ・ストラテジー 上記のいくつかの異なる戦略を組み合わせ、その間でダイナミックにb資金配分を変更して利益を追求する 9.12 4.36 1.21

 上記のデータは、CSFB証券のデータから作成したものだそうです。
 10年間という長期間のデータですから、重みがありますよ。
   
    上記戦略の共通点は、
      @信用取引などレバレッジ(テコの原理)を活用して収益性を高めている。
      A(有限責任)リミテッドパートナーシップなど私慕(プライベート)な組織形態をとっている。
      B報酬に占める、ファンドマネジャーの成功報酬の割合が大きい。
        (利益の20%程度の成功報酬が一般的) 

 高利回りで有名なクアドリガ(Quadriga)のスーパーファンドSICABの成功報酬は、25%と記憶していています。
 私見ですが、ここまでインセンティブフィーを高くして、ファンドマネジャーを煽るのは、ちょっと行き過ぎの観もありますね(*^_^*)
  
 平均リターンの一番高いのは、グローバルマクロ戦略、次が、株式ロングショートイベントドリブン と続く。
 標準偏差シャープレシオをみても、許容範囲といえるでしょう。
 もちろん、平均値ですから、それ以上のファンドが半数近くあるはずです。
 期待できますね。
   
 反対に、選びたくないのは、ショート・セリング戦略で、シャープレシオがマイナスとは、最悪です。
 仕手株で失敗する人々と、あまり変わらないのかしら?

 ここでも、10年間通してマイナスとは、戦略として選択するべきではないはずなのに、分類に載っていること自体が不思議です。
  
 上表のヘッジファンドの統計からいえることは、あまり強く方向を意識しない方が、成績が上がるようだ。
 林先生のご著書にある、「いくらここぞと思っても、客観的に見れば上げ下げの確率は五分五分だ」が、納得できる結果である。

 意外なのは、マネージドフューチャーが、リターン6.58 リスク12.2 シャープレシオ0.25 と奮わないこと。
 私が持っているMan社のファンドは、マネージドフューチャーが6割近いものが多いので、気になるところです。
 2年ほどデータを付けている範囲では、凸凹はありますが、全体としては伸びておりますから、良しとしましょうか。

 続いて、副島隆彦著 「戦争経済に突入する日本」 254ページから抜粋しました。
 副島氏は、世界の動きを大局的に、ロスチャイルド家とロックフェラー家の戦いとして分析しておられ、大変興味深いご著書もあります。
 先々の経済分析指針として、高位な地位を占めるのではないでしょうか。
  

         --------------- 以下引用 -------------------------
 迫りくる日本国内の金融・経済情勢不安を乗り切るためにも、欧米の資産家の人達が歴史的に利用してきた、伝統あるオフショア非課税金融特区タックスヘイブン)を日本人もどんどん活用すべきである。

 金融は完全に自由化されているのだから、日本の資産家達が自分の責任で海外の優れた金融商品を買って、安全な投資を心がけるのは当然なことである。
           ・・・中略・・・
 なぜユダヤ人が歴史的にヨーロッパでこれほど嫌われたかは、貨幣や国債や信用制度の発達と深く関わっているからである。
 だから世の中の全ての話は、お金の貸し借りと資金の運用を中心に出来上がっているのである。
 この点においては国家も個人も差はない。
 だから命の次に大事であるといわれるお金の話こそは、恥ずかしがったり照れたりしないで、真正面からみんなで真剣に公然と行わなければならないのである。
 金の話を汚いことだと思って、避けて通ろうとしている人の生き方を、知的で高級だなどと思い込んでいるうちは大した人間ではない

 ヨーロッパ諸国の宮廷ユダヤ貴族達が、長い年月をかけて強固に作り上げてきたのが現代の金融システムである。
 彼らは財務官僚として公式の仕事をする以外に、自分達だけは、こっそりと特権を王様からもらって、世界各地域に散らばっている貿易の拠点となった「自由貿易港フリーポート、香港やシンガポール、日本で言えば戦国時代の堺の港)」に、自分達の資金の隠し場所をこっそりと作った。
 これが「オフショアoffsyore)」の始まりである。

 この「オフショアマネーセンター」は、「金融特区」とも呼ばれ、自由港フリーポートとして関税タリフ貿易税)が極めて安いことと同時並行になっている。
 現在も、国際ユダヤ銀行家や各国の主要な財界人たちが、このシステムの統括、総元締めを受け継いでいる。

 日本人も、もっとこうした世界基準での資産管理の真実と、その現状をよく理解しなくてはならない。
 そして、国内での生活資金と海外で保全すべき資産とを、賢く分散する考え方を徐々に身につけなければいけない。

 自分の資産防衛の選択肢として、こうした外国への資金投下が今後、ますます重要になってゆくだろう。
   --------------- 以上で引用終わり ----------------

 いかがでしょうか?
 いままで、銀行預金のみで、投資を考えてこなかったのが、日本人の一般的な考え方だったと思います。
 それでは、国境の無いボーダーレス社会に突入した現代では、とても諸外国と競争していけない。
 せっかく法的にも、個人で対外投資が許されるようになったのだから、少しの勇気で動き始めてみるべきではないでしょうか?

 有名なMan社が運用しているヘッジファンドでも、最低投資額5,000豪ドル(約50万円)から可能です。
 まず、小さく投資して、その成果をゆっくり楽しんで下さい。
 上下にブレはありますが、平均して年率15%程度は、達成すると思います。

 私の持っている Series10 OM-IP220 Ltd (05年6月スタート)は、08年1月末で45.9%増になっております。
 不特定多数に、ファンドのパフォーマンスを開放していることも、Man社の自信の現れでしょう。
 下記のページの上部にある Fund Prices をクリックして下さい。
     → マンインベストメンツ・オーストラリア(maninvestments.com.au)

 昨年から騒がれているサブプライム問題は、米国経済に暗い影をおとし、基軸通貨米ドルの地位が揺らぎ始めているようです。

 この現象は、様々なところに見受けられます。
 例えば、
      ・すでに、EURの発行額がUSDを超えたこと
        →EUR建て貿易が増えている?、外貨準備も 
      ・ロシアの原油、天然ガスはルーブルで取引
      ・イランの原油は、(一部?)EUR取引可
          (他の産油国も追随?)
      ・米国債重点保有国のサウジと中国が外貨準備をEURに転換させている
      ・米国公債残高の累増を日本とサウジと中国がファイナンスしている
         らしい?が、はたしてUSDの下落を中国がだまって見ているのか?
      ・米国からのキャピタルフライトも始まっているらしい???
      ・基軸通貨がドルとユーロの二本立てになるという経済学者もいる

 というような状況から、ユーロ(EUR)か豪ドル(AUD)建てのファンドの方が安心できるかも?

 豪ドルで最低投資額が小さいファンドは、お試しの海外投資として面白いでしょう。
 満期時の元本保証(豪ドル)があることも、お奨めの理由です。








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