「雑学3分間 金融」 太齊利幸 著
■債券投資で重要な金利の見通し
債券価格(債券相場)は、金利の変動によって大きな影響を受けます。
基本原則としては、金利が上昇すれば債券価格は下がり、反対に金利が下降すれば債券価格は上がります。
つまり、金利と債券価格は逆の動きをするのです。
これは、債券投資を行ううえでは、金利に対する見通しが重要だということです。
例えば、クーポン1.4%の10年物の長期国債を100万円で購入したとします。
1年後、世の中の市場金利が3%に上昇したとします。
さて、このときにこの国債は100万円で売れるでしょうか?
答えはノーです。
なぜなら、この国債は、残りの9年間毎年1.4%の利息をもらう権利を持っているだけなのです。
市場の金利が3%になったならば、他の金融商品を購入すれば3%の金利がもらえるのに、何も好き好んで1.4%の商品を買うことは有りません。
そこで、いくら割り引けば買って貰えるかを考えるわけです。
・・・中略・・・
100円につき88円66銭であれば買ってもらえるのです。
つまり、100万円で買ったものが、88万6,600円になってしまったのです。
逆に、1年後の市場金利が1%に下降したらどうでしょうか?
今度は、1.4%の利息を9年間持っているこの国債は価値のあるものになっています。とても100万円では売りたく有りません。
では、いくらなら売れるかというと、100円につき103円30銭なら売ってもいいことになります。
つまり、100万円のものが103万円3,000円になったのです。
■債券投資のタイミングとは
こう見るとわかるように、将来の金利が上がりそうなときには債券投資はせずに、金利が下がりそうなときこそ債券投資をすべきなのです。
金利の見通しが重要だといわれる所以です。
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