■モノライン
債券など金融商品の保証を専門に行う米保険会社のこと。
会社が倒産して、社債を買った人に元本と利息が支払えない場合などに、会社に代わって支払いを保証する。
米地方債の約5割、証券化商品の約2割が、モノラインに保証されているという。
■大手三社
MBIA社 補償額9,400億ドル 最王手
約26億ドルの資本増強済み
格付けは「AAA」
AMBAC アムバック・ファイナンシャル・グループ
補償額5,190億ドル
15億ドルの資本増強(公募増資)発表
「AAA」格付けは据置きだが、今後の資本調達次第で格下げ?
FGIC ファイナンシャル・ギャランティー・インシュランス
補償額2,999億ドル
救済策未定?
■モノライン救済は混迷中
当初、ニューヨーク州の監督当局が提案した、大手銀行が資金を出し合う「奉加帳方式」で計150億ドルを集め、業界全体を救済しようと試みたようだ。
しかし、提案を受けた銀行団、大手銀行の大半は、他社を支援するほどの余裕がない。
米低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)問題に伴う、自らの損失処理で手一杯である。
ということで、この案は宙に浮いたまま。
著名投資家ウォーレンバフェット氏の、最大8,000億ドルの地方債再保障の提案は、関係者からの拒否で、取り下げられたらしい?
逆に、モノライン大手の株価低落に、バリュー投資家のマーティン氏のファンドが投資を加速しているらしい。
同氏の主張は、「解散価値を下回るまで株価が下落したため、事業を維持しようが再編しようが、大きな収益が期待できる」とのこと。
マーティン氏は、世界金融恐慌の恐怖に右往左往する一般投資家を尻目に、「たとえ倒産しようが、投下した資金以上のものを、確実に回収できる」と判断し、多額に資金を注ぎ込んだ。
この考え方こそ、「投資のかがみ」と思います。
ロシア危機(デフォルト)の時に、ルーブルを外貨に替えて温存したロシア人、或いは、株価暴落にいち早く駆けつけたユダヤ人達が、企業や土地を買いあさったという。
今や、天然ガスと原油で裕福になったロシア事業家たちは、笑いが止まらないのではないでしょうか?
リスクを取ることが、リターンの源泉!
むやみに世界恐慌を恐れるより、その変化をチャンスと捉える思考の柔軟性を鍛えるべきと、改めて考え直しております。
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