海外ファンド・ヘッジファンド投資の基礎知識

  海外のお金持ちが投資する海外ファンドヘッジファンド)は、景気の変動に関わりなく、すばらしい運用成績を残しています。
  英会話ができない私でも、渡航もせず海外ファンドを入手できるんですね。そんな魅力ある海外投資の基礎知識集です。

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    「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著
     
 国際取引において、@決済通貨、A介入通貨、B準備通貨、の役割を果たしている通貨を国際通貨と呼び、その中でもっとも頻繁に利用されている通貨を基軸通貨と呼ぶ。

 現在の基軸通貨はドルであり、国際通貨にはユーロ、ポンド、円などがある。



 国際通貨とは、@国際間の取引の決済に利用されている通貨(決済通貨)、A政府や中央銀行が為替市場に介入する際に利用する通貨(介入通貨)、B政府や中央銀行が外貨準備として保有する通貨(準備通貨)、のことをいいます。
 米ドル、ユーロ、ポンド、円などが国際通貨といえるでしょう。

 こうした国際通貨の中でも、国際的にもっとも頻繁に利用されている通貨を基軸通貨(キーカレンシー)と呼びます。

 条約などで決まっているわけではありませんが、第三国相互の貿易も基軸通貨で行われることが多いため、自然と皆が「外貨を持つなら基軸通貨を持ちたい」と思うようになり、貿易などにおける基軸通貨の利用も一層増えていくというわけです。

 基軸通貨となる条件としては、その国が政治、経済、軍事などの面で他国から信頼されていること、通貨の価値が安定していて、かつ豊富に供給されていること、などが挙げられており、現在は米国のドルが基軸通貨として用いられています。

 なお、これまでは米ドルの役割が圧倒的に大きかったのですが、最近ではユーロが使われるケースも徐々に増えています。

 ユーロを自国通貨としている12カ国に留まらず、多くの欧州諸国などが自国の通貨をユーロと連動させており、そうした国々の間では貿易もユーロ建てで行われるなど、ユーロが基軸通貨の働きの一部を担うようになってきました。






   

★★★★★★★ 最初の海外ファンド、お奨めは? ★★★★★★★

 一口に海外ファンドヘッジファンド)といわれても、英会話の問題だけでなく、その実態に、何か得体の知れない不安感が残ると思います。
 昨今の大型ヘッジファンド破綻のニュースが流れれば、当然でしょう。

 
海外ファンドのリスクに記載しましたリスク要因は、全て把握しておく必要があります。

 そのリスクのうち、特に致命傷を与える項目には、最大限の注意を配りましょう。

 元本もろとも、根こそぎ失うリスクのうち、最初のリスクは、仲介業者Intermediary Company)です。
 業者によっては、入会金、口座開設費用、維持費を取る場合も有りますし、ファンド選定のコンサルタント費用を要求される場合もあります。

 悪質だなと思うのは、ファンドの価値が上がった時に、成功報酬と称して、収益の何割かを天引きする仲介業者もいます。
 私が、成功報酬を支払いたいのは、ヘッジファンドの直接の運営会社です。
 仲介業者は、何もリスクをとっておりません。
 それなのに、報酬を要求するとは、許せません。
 言われるままに支払っている投資家がいるかと思うと、悲しくなります。

 また極端な事例だとは思いますが、送金先を仲介業者の言うがままの口座に振り込んで、全額持ち逃げされた例もあるとのこと。
 絶対に守ってほしいのは、海外送金は、海外ファンドの信託銀行の銀行口座以外には、送金してはいけません。
 ヘッジファンドの目論見書に付属しておりますので、必ずその送金指示書(Bank Instruction Letter)の指示に従うこと。

 邦銀から海外送金の際に、「海外送金依頼書」(複写:国外送金調書)を記入する際に、ご注意願います。


 次の重大なリスクは、ファンドの破綻です。
 ヘッジファンドの「ヘッジ」には、損失防止という意味があり、その手法としては、買いのみでなく、空売りもするし、一物一価の原則で価格差があれば高いものを売ると同時に安いものを買う(無裁定価格理論)し、レバレッジもフル活用する。

 具体例としては、トヨタの株が東京市場と大阪市場で違う値がつけば、仕掛けるし(裁定取引)、商品の限月間の価格差も狙う。
 世界市場で取引が認められている鋳造会社の印がある99.99%(フォーナイン)のゴールドバーなら、誰が考えても為替(と運賃)以外に差は無いはずです。

 ところが、現実には差がうまれ、裁定取引(アービトラージ)が行われている。

 そもそも、海外ファンドは、オフショアといわれる無税か無税に限りなく近い国々で組成している。
 税金を含めた最終損益で最大の成果を挙げるのが、ファンドマネジャーの使命と心得ているようです。

 しかも、自分の資金も自分のファンドに投資している(セイムボート)ため、失敗は自らの破産にまで直結している。
 こんな厳しい世界で勝ち抜いた場合には、サラリーマンが一生で稼ぐ以上の成功報酬(インセンティブフィー)が待ち構えている。
    
 こういう成果直結の世界で生き抜くファンドマネジャーは、相当太い神経でないと長続きしないと思いますが、システム売買なら可能かと思います。
 例えば、イギリスのマン社(Man Investments)の基幹システムであるAHLプログラムは、比較的大きなトレンドに従って売買指示を出す(トレンドフォロー)システムである。
 その時々の判断を人間がする場合は、感情が邪魔して、どうしても損切りが遅れる傾向があるが、コンピュータ判断ならその恐れはない。

 私がマン社のファンドを信頼する理由の一つは、この損切りが確実に行われる点です。
 「
外資ファンド利回り20%超のからくり」を読みますと、もともと無裁定価格理論で、リスクが少ない仕掛けをしていますから、破綻の可能性は少ないことに加え、満期時元本確保(元本保証という言葉は日本の法律上使えない?)があれば、基準通貨ベースの話ですが、元本割れはありません(ファンドの基準通貨が円に対し暴落した場合は、円ベースでは元本割れがあり得ます)。

 元本確保の仕組みは、最初から投資元本の半分ほどをゼロクーポン債に投資、満期には、そのゼロクーポン債の償還元本プラス利益でカバーします。
 その分、パフォーマンスが低くなりますが、安心にはかえられません。
   
 ヘッジファンド(私募債)は、その性格上、秘匿部分があるのは否めません。
 逆に、上場会社には、ディスクロージャー義務があります。
 その点、ロンドン証券取引所の上場会社であるMan社の子会社 Man Investments Australia が運営するファンドなら、その点は優位といえるでしょう。

 投資は、「小さく始めて大きく育てよ」といわれます。
 最初の投資は、なるべく小さい方が望ましいでしょう。

 結論として、OM-IP 220 Ltd をお奨めします。
 Man社の信用があり、元本確保があり、最低投資額は、豪ドルで5,000(日本円で約50万円)です。
   
 元本確保のファンドは、クローズドタイプ(募集期間が限定されている)ですが、不定期に繰り返し募集されています。
 詳しくは、
OM-IPファンドの成績一覧(Man Investments Australia) が公開されておりますので、ご確認下さい。
 左から、Productがファンドの名前、Ccyがファンドの基準通貨、Inceptionが開始日、LastValuedとは価値を算定した日、Rising Guaranteeとはファンドが万一破綻した場合でも、元本確保分にプラスして、償還が保証される部分です。
 ファンドの運営がうまくいって、資産増加した一定の割合を信託銀行に預け、高格付けの債券で運用しているようです。
 最後の、Net Asset Valueが単位評価額で、運営開始が1.0000です。
 従って、2.3000 とあれば、投資資産が2.3倍に膨れ上がったことになります。
   
 OM-IP220 はシリーズで12まで出しておりますが、どれも順調と言ってよいのではないでしょうか?
 私のSeries10 OM-IP220 は'05年5月にスタートし、'08年11月末で1.5827、 Rising Guaranteeが1.2155 ですから、多少の円高にもあたふたしないで長期投資の方針で臨めます。