学校では決して教えないことですが、お金に関する知識の有無は、人生を左右すると言っても過言ではないでしょう。
投資活動(海外ファンド、FX・外国為替取引、株式投資等)に不可欠、或いは知っていた方が有利な基礎知識を集めました。
「図解雑学・M&A」 小川好澄 監修 ●トービンのQとは? J・トービンは1981年にノーベル経済学賞を受賞したアメリカの高名な経済学者 ですが、M&Aの世界ではトービンのQという指標によってよく知られています。 このトービンのQは、実物資産価値に対する株式時価総額の割合で示される 指標で、株価が実態価値をどれだけ反映しているのかを表します。 たとえば、実態価値が100億円の企業の株式時価総額が80億円の場合、 その企業のトービンのQは0.8になります。 ●トービンのQとM&Aの関係 前出の例で、A社の資産が100億円の土地であったとしましょう。 その土地を直接取得しようとすると、100億円が必要になりますが、A社の株式 なら80億円で買収できる、ということになります。 トービンのQが1未満ということは、株式による買収が有利(株価が割安)と いうことを意味し、反対にトービンのQが1以上になれば、株価が割高 (株式による買収が不利)ということを意味しています。 一般に、トービンのQが大きく1を下回っている状態(株価の低迷期の底)から トービンのQが1にむけて回復していく過程で、M&Aブームが発生します。 また、敵対的買収のターゲットとなる会社のトービンのQは、友好的買収の ターゲットとなる会社のトービンのQに比べ顕著に低いという研究結果もあります。 「ウォール街では石油が1ドルで買える」とは、アメリカの石油王ポール・ゲッティの 言葉ですが、こうした考え方はトービンのQとM&Aの関係を顕著に表していると いえます。 |