橘玲著「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」にタックスへイブンについて分かりやすい解説が載っていました。
タックスヘイブンとは、直訳すると、「租税回避地」で、所得に対して税金がかからないか、税率が極端に低い国のことで、大半はカリブ海や、南太平洋、ヨーロッパ周辺の島国です。
ほとんどの国は、観光以外に何の産業もない貧しい国で、資産課税や法人税を無税にすることで、世界中から金融機関や事業法人を誘致し、機関投資家や事業法人を誘致し、富裕層の資金を呼び込むことができれば、雇用が発生し、経済が活性化します。
失うものが何も無い以上、「無税化」は合理的な選択なのです。
こうして世界には多数のタックスヘイブンが生まれ、巨額のマネーを
吸い寄せています。
海外への資産逃避を防ごうとすれば、先進諸国も対抗して税率を下げざるを得ません。
逃げ足の早い金融資産への重課税は、特に困難です。
そのうえ、世界最大の金融マーケットをもつアメリカが事実上のタックスヘイブン政策を行っていることで、話がさらに複雑になります。
アメリカは国民総背番号制を実施し、個人のタックスヘイブン利用を厳しく監視する一方、海外資金を自国のマーケットに呼び込むために、非居住者(外国人)の投資家に対し、銀行預金の利子や、株式・債券の譲渡益を無税にするなど、さまざまな優遇税制を実施しています。
金融市場シティを有するイギリスも、同様のタックスヘイブン政策を行っているため、OECD諸国の有害税制対策も、足並みを揃えるのは容易ではありません。
アメリカの非居住者銀行口座の無税優遇について、副島隆彦氏の著書を読んで初めて納得できました。
米国の一国覇権を維持するためには、際限ない個人消費の拡大と、戦争での経済活性化が不可欠。
両者の赤字をファイナンスするために、米国への資金流入の仕組みが必要。
それが、日米の金利差(米国金利は日本に比べ常に3%以上高く設定)だったり、為替介入(円売り)させて貯めたドルで米国債を買わせること。
3〜4%の金利差は、ゼロ金利で苦しむ国内金融機関にとっては魅力大。
もちろん、暗黙の脅しで、米国債の売却は許さない。
このままでは、日本国破産という段階になって、初めて売却が許されるかもしれないが、時すでに遅し、米ドルも米国債も叩き売られた後の二束三文。
これが、個人の口座にも起きること。
なるほど、こういう戦略があるから、非居住者のカネを優遇税制で引き止めるわけですね(#^.^#)
日本国内で赤字国債(と借換債)を乱発させ、その資金でドル暴落を支えさせる。
インド洋では、艦船の燃料をただでよこせという。
過去の沖縄少女暴行事件では、基地に逃げ込めば「日米地位協定」で、逮捕はおろか尋問すらできないと聞く。
我々は、属国=植民地に暮らしているという自覚が必要かも?
これから起きる、覇権国家の凋落をチャンスに、本来の独立国家を目指したいものです。
「海外ファンド通信No.11」にも書きましたが、本年6月27日の日経に『先進各国が、海外金融取引課税強化に乗り出す』記事が載りました。
アメリカ、イギリスなどのOECD加盟国は互いに租税条約を締結しているので、税務当局同士が情報交換をしている。
特にアメリカ内国歳入庁・IRSは、少しでも不審な口座があると、頼んでもいないのに勝手に各国の税務当局に情報を流しているそうです。
プライバシー侵害を嫌う人は、日本と租税条約を結んでいない国の金融機関を利用することで、自らの権利を守れます。
しかし、実施には、上記の国益がぶつかり合い、多くの困難が予想されます。
私見ですが、もしもタックスヘイブンの情報開示が行われれば、その国からのキャピタルフライトが起こります。
もともと、金融と観光以外には何も無い国。
そんな国の金融資産が流れ出せば、打撃は計り知れないでしょう。
従って、主権国家の制度が維持される限りは、情報開示は行われないと考えますが、いかがでしょうか?
事実、山●組のヤミ金融マネーロンダリング事件で、日本警察は、香港→スイス・ルートは解明できたが、香港→シンガポール・ルートの解明は暗礁に乗り上げたとか?
テロとか事件性には無縁の、一般人の資金ならば、オフショアでは、かなり固く守られているようです。
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