海外ファンド等の投資を始める前に知っておくべき基礎知識を集めました

<海外ファンドの基礎知識・投資戦略>

【定期預金や郵便貯金は欠陥商品】

                  サラリーマン・サバイバル」 大前研一 著 より抜粋

   世界的に有名なコンサルタント会社マッキンゼーで、社長まで勤めた大前研一氏が、新世紀の
  始まりにあたって、これからのサラリーマンがどう考え、どう競争社会に打ち勝っていくべきかに
  ついて、思考の変革・生き様改革を提案。
    楽して稼ぎたい人は見ないでください。この講座ではムリです。


定期預金や郵便貯金は「欠陥商品」である


    金融ビッグバンによって、我々に運用の力が付いてきたときには、政府や会社に
   運用してもらうよりも、自分でキャッシュを貯め、それを自分で運用したほうがいい、
   そのほうが納得が行く、ということに必ずなってくる。
    イギリスでもそうなったし、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでもそうなった。

    せっかく日本もビッグバンをやる以上は、公的年金も退職金も全部たがを外して
   もらわないと困るのである。

    今、日本人は個人金融資産の30%を生命保険などに入れ、残る70%は銀行の
   定期預金や郵便貯金に預けている。

    ところが、後者の定期預金や郵便貯金というのは、世界的にも例が無いほど
  低金利、かつ将来の膨らまし粉がゼロで、面白みの無い、いわば構造的に
  欠陥のある商品である


     ・・・中略・・・

    つまり、定期預金は、不良債権が完全に処理されるまでの向う5年ぐらいは、
   構造的に2%以上劣勢に立たされる損な仕組みの商品なのである。

    我々は公的資金で不良債権処理の負担をさせられている上に、低金利を通じて
   また負担させられているのである


     ・・・中略・・・


    また、郵便貯金は、民間の銀行を圧迫しているという「民業圧迫論」によって、
   金利が民間にスライドさせられている。
    郵貯財政投融資で運用されているが、財投は国家による高利貸しで、地方は
   約5%の金利を払っている。

    つまり、本来、郵貯は預金者にもっと高い金利を払える実力を持っているのだ。

    しかし、財投資金は”ゆるフン”の国家プロジェクトで、極めてリスクの高い第三セクター
   や特殊法人にたくさん突っ込んでいる。

    今のところはまだ表面化していないが、それらが崩壊してきたときには郵貯も崩壊
   する恐れが有る。

 
    国家が5%を取って預金金利が0.35%ということであれば、我々は納税者としては
   5%も持っていかれて、預金者としては0.35%しかもらっていないということ。

    定期預金と同じく、国民は「往復ビンタ」を食らっているのである。

    つまり
国家による一大搾取が行われているわけだ。




個人で国境を越え、日本の金融機関の数年先を行け

    第二は、インターネットの活用である。

    ビッグバンによって日本人も海外に口座が持てるようになる。
    しかし、実際問題としては海外に投資口座を持つのは難しいので、結果的には
   インターネットを通じて海外と取引することになる。

    インターネットには有名なサイトがいくつもあって、そこにアクセスすれば直接、
   海外の金融商品を購入することができる。

    それを使いこなすことによって、日本の金融機関の数年先を行くことができ、
   日本の金融機関にコミッションを取られなくて済むわけだ。

    日本人のファンド・マネジャーが育つには少なくとも10年はかかるので、その間、
   インターネットは絶対に必要なツールとなる。

     ・・・中略・・・

   外貨だと為替変動のリスクが気になる人もいるだろうが、先進国であればその心配は
   要らない。
    10年、20年経つと、必ず為替の変動の方が金利の差よりも小さくなる。

    しかも、10年物債券の金利から予測すると、日本の超低金利は少なくとも2005年
   ぐらいまでは続くと思われるので、他の先進国通貨で運用したほうが絶対に有利だ。


     ★★★★★★★ 日本の財政は持続可能か? ★★★★★★★

    わが国の政府財政(一般会計)は、10年ほど前の小渕政権当時から
   赤字国債に頼ってきた。
    その赤字国債の累積が850兆円を超え、一説には地方自治体・特殊法人まで
   含めると、1,200兆円を超えるといわれている。

    このような不摂生な財政を続けることは、可能なんでしょうか?
    平成18年度と平成19年度の歳入歳出予算より、考察してみます。


    下記は、「平成19年度一般会計歳入歳出概要」(平成18年12月24日発行)
   の公開資料から、抜粋したものです。
    
                   平成18年度    平成19年度
     歳入の部(単位:兆円)
        租税及び印紙収入   45.9(57.6%)    53.5(64.5%)
        その他収入       3.8(4.8%)     4.0(4.8%)
        公債金        30.0(37.6%)    25.4(30.7%)
         合計        79.7(100%)     82.9(100%)

     歳出の部(単位:兆円)
        国債費        18.8(23.6%)    21.0(25.3%)
        地方交付税交付金   14.6(18.2%)    14.9(18.0%)
        一般歳出       46.4(58.2%)    47.0(56.7%)
         合計        79.7(100%)     82.9(100%)

     歳出を項目別に多い順に並べますと
        社会保障費      20.6(25.8%)    21.1(25.5%)
        国債費        18.8(23.6%)    21.0(25.3%)
        地方交付税      14.6(18.3%)    14.9(18.0%)
        公共事業        7.2(9.0%)     6.9(8.3%)
        文教及び科学振興    5.3        5.3
        その他事項       5.1        5.2
        防衛費         4.8        4.8
        経済協力・エネルギー対策他 2.3        2.8
        恩給関係        1.0        0.9

 
    支出と効果(恩恵?)を分析すれば、無駄使いと思われる項目は沢山
   ありますが、そのテーマは別に譲るとして、財政の健全性を保つ視点から
   国債費よりも、公債金額のほうが平成18年度は11.2兆円、19年度は
   4.4兆円多いこと。
    これは、毎年赤字国債の発行額が、国債の利払い及び満期償還金よりも
   大きく、全く借金が減っていないこと。

    日本国は、こんな財政を10年以上にわたり、平気で続け、その累計が
   GDP(約500兆円)の1.7倍〜2.4倍になってしまったのです。
    一般論ですが、国の財政破綻が起きるのは、GDPの2倍から2.5倍の
   累積赤字が溜まった時だそうです。
    ローマ帝国も、大英帝国もブラジルもトルコも、その辺りの水準から
   国がおかしくなったようです。
    すると、日本はすでに警戒水準を越えていることになります。

    最も罪作りなのは、「借換債」という化け物を発明したこと。
    赤字国債が満期償還になる時に、その借金の原資を作るのに、
   「借換え債」を発行して、その金(借金)で、支払うこと。
    国は、借金で借金を返しながら、その借金総額を雪だるまのごとく
   増加し続けているのです

    Tサラ金の借金をAサラ金から借りて払う、サラ金地獄と、
   なんらかわりません。

    個人であれば、とっくに金融機関から見放されているのですが、
    極論ですが、「金融機関が、国に簡単にだまされている」のが現実です。

    これさえあれば、赤字国債は償還金が膨らむのを心配しないで、
   好きなだけ発行できることになります。

    なぜなら、国会審議で厳しく追求される「一般会計」の帳簿外で
   発行できるからです。
    こんな便利な仕組みに、利権アサリの政治家が乗らないはずは無い
   でしょう。

    これを森本亮氏は、「亡国の技巧」と呼んで警告しておられます。
              日本国破産への最終警告・森木亮著

    世界第二位の経済規模を誇る我が日本ですから、専売特許の
   「問題の先送り」を繰り返しながら回復をはかり、破綻しないかも
   知れません。

    重要なことは、「リスク管理」の思考です。
    財政破綻は起きないかもしれないが、起きる可能性もある。
    「可能性がある限り、それに備えるべき」というのが、私の
   基本スタンスです。

 ■投資基礎  投資をしなくても幸せになれる時代は終わった   →投資を始める前に読んでおきたい名著  →実際投資に役立つ王道の著
        →定期預金や郵便貯金は欠陥商品          →ABS/SPC(特別目的会社)    →ALM(Assets and Liabilities)
        →RR分類と受益証券説明書            →保護預かり/保管振替制度と単位株    →株式累投(るいとう)とミニ株
        →証券総合口座とラップ口座            →金融持ち株会社            →証券取引所
        →店頭市場とJASDAQ                →譲渡性預金CDとCP         →モーゲージ担保証券MBSとCMO
        →EBITとEBITDA                  →IRA(個人退職年金勘定)        →インデックスと指数裁定取引
        →インデックス運用とインデックスファンド     →売上高利益率の各種          →景気指標と先行・遅行指数
        →ゼロクーポン債とコーラブル債          →株価オプションと株価指数オプション  →キャピタルゲインとキャピタルロス
        →ファンドの回転率と買戻し手数料         →グロース投資(成長株)と積極型    →債券・社債と債券ファンド
        →株式ファンド・インカムファンド         →純資産と純資産価額/NAV        →消費者物価指数CPIと生産者物価指数PPI
        →バリュー投資とバリュー型ファンド
        →転換社債型新株予約権付社債(CB)    →イールドスプレッドとイールドカーブ
        →直接金融と間接金融               →金利と債券価格            →金利と為替
        →優先株と劣後債                 →BIS規制と早期是正措置         →金融商品の型とタイプ
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