「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 資金の貸し手と借り手との間の貸借が、直接当事者間で行われる 場合を直接金融と呼ぶ。 貸し手と借り手に対して金融機関が取引の相手方となる場合を 間接金融と呼ぶ。 証券会社は主に直接金融、銀行は主に間接金融の担い手である。 会社が資金を必要とする場合、株式や社債を発行する方法と、銀行から 借り入れる方法があります。 証券会社は、株や債券を買いたい人(資金を貸したい人)と売りたい人 (社債を発行する企業など、資金が必要な人)を仲介して手数料を得ています が、売買は顧客相互で行われるため、証券会社自身は証券の売買の主体と ならないのが普通です。 このように、資金の出し手と取り手が直接取引きする方式を直接金融と 呼びます。 一方銀行は、資金の出し手から預金を受け入れ、資金の取り手に対して 貸し出しを行っていますから、自らが取引の当事者となっているわけで、 顧客相互が直接取引きするわけではありません。 こうした方式を間接金融と呼びます。 銀行は手数料を受け取るのではなく、預金者に支払う金利と貸出先から 受け取る金利の差(利ざや)により利益を得ています。 両者の差は種々有りますが、最大の差は、借り手が倒産した場合に 直接金融の場合は資金の出し手が損失を被る一方、間接金融の場合には、 預金者でなく銀行が損失を被るということでしょう。 その面では預金をした方が得なようにも思えますが、銀行の利ざやの方 が証券会社の手数料よりも大きいために、資金の貸し手にとっては、社債を 買ったほうが高い金利がもらえることを考えると、結局どちらが得かは一概 には言えないようです。 |