「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 証券や商品などを、将来の特定の日にあらかじめ契約した価格で引き渡す契約 を、先物取引を呼ぶ。 将来の価格変動リスクをヘッジするための手段として発達してきたが、投機の 目的で用いることも可能である。 来年の米が豊作か不作かわからないときに、平年並みの価格で売買すること を約束すれば、買い手は不作でも高い値段を払わずに済み、売り手は豊作で価格 が暴落した時でも損を免れます。 これが先物取引の基本形です。 この場合、お互いに「悪い事態が生じた場合の被害を防ぐ」ために契約をした わけですが、こうした目的を「ヘッジ」と呼びます。 先物取引とは、証券や商品などを将来の特定の日に、あらかじめ契約した価格 で受け渡す取引を言います。 契約成立後遅滞なく引渡しが行われる「現物取引」と対比されるもので、 金融商品に関する先物取引は、いわゆるデリバティブズ(金融派生商品)の ひとつです。 来月受け取る予定の輸出代金について、ある為替レートを用いて来月にドルを 売って円を受け取るという契約をすれば、今後円高ドル安が進んだとしても、 円建ての受け取り金額が減ってしまう心配はなくなります。 これも先物取引です。 ヘッジの目的を「価格変動リスクを回避すること」という場合が有りますが、 「価格が困った方向に動くリスクを回避する」という意味です。 一方で、今後円安ドル高になった場合に得られるかもしれない利益をあきらめて いることに注意が必要です。 リスクを回避すると同時に、価格が望ましい方向に動くことにより生じるかも しれない利益を放棄しているというわけです。 |