「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 証券取引所は、上場されている証券を会員の証券会社が売買する市場で ある。多 くの取引が集中して行われることで市場全体の売り注文と買い注文の状況が 把握し易くなり、適正価格が実現されることが期待されている。 株の値段は、売り注文と買い注文が一致する価格に決まります。 では、ある価格で売り注文と買い注文が一致しているか否かは、どうすれば わかるのでしょうか。 同じ株でも、証券会社によって、売り注文が多いところと買い注文が多いところ があるでしょう。 証券会社相互の連絡を行わないとすると、両社で同じ株を異なる価格で売買 することになります。 すると、顧客の投資家は、全ての証券会社に価格を聞き、一番有利なところ に注文を出す必要が出てくるでしょう。 それでは不便ですから、証券会社が相互に情報交換をする場所を作ったのが 証券取引所だといえるでしょう。 証券取引所で取引されるのは、取引所が認めた銘柄だけです。 取引所が一定の条件(上場基準と呼びます)を満たすと判断して取引を認める ことを「上場する」といいます。 上場されていない株式や債券でも、「店頭市場」での取引対象となる 場合(店頭公開)が有ります。 これは証券会社相互に相手の希望価格を聞き合う形式に近いのですが、 最近の通信技術やコンピュータ技術の進歩のおかげで、取引所に較べて 不便な点は特段無いようです。 米国では、店頭市場であるNASDAQが発展しており、NY証券取引所と 並ぶ規模となっているほどです。 日本でも、債券の取引は取引所よりも店頭市場のほう、が活発に行われて いるようです。 |