「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 銀行の公共性、特殊性を考えると、銀行の健全性を確保することは極めて 重要である。 そのため、銀行に対しては様々な規制が加えられるとともに、当局による 検査・考査・モニタリングなどが行われている。 銀行が倒産すると、経済全体に大きな影響が及ぶため、銀行の健全性を保つ ために様々な規制が行われています。 そもそも銀行の設立には免許が必要ですし、銀行が従事してよい業務には 厳しい制限がつけられています。 くわえて、銀行は資産に対して一定以上の比率で自己資本を保有する必要 があります。 僅かな赤字で債務超過に陥るような銀行があっては困るからです。 また、政府や中央銀行が、銀行行動を常時モニタリングしているほか、 定期的に銀行に立ち入って帳簿やリスク管理体制、業務処理の確実性などを 調べるための検査や考査を実施しています。 かっては、銀行相互の過当競争を避けるために、支店開設などにも制限が 加えられていましたが、最近では金融自由化の流れの中で、競争制限的な 規制は減りつつあります。 しかし一方で、事後的な規制は強化されつつあります。 また、かっては行政指導などによる裁量的な銀行行政が行われていました が、行政手法の透明化と公正化が計られるようになってきました。 |