「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著 あらかじめ定められた価格(行使価格)で、将来の一定期限までに、証券などを 買う権利、または売る権利をオプションと呼ぶ。 オプションの権利者は、「その価格で買っても良いし買わなくても良い」といった 選択権を有する。 例えば、「あなたの持っている株を1000円で買いたいが、決心がつかない。 一ヶ月以内に私が買いたいといったら1000円で売ってくれると約束して欲しい。 約束してくれるなら、10円払おう。」という取引によって、買い手はオプション (買うか買わないかの選択権)を得たわけです。 選択権の対価として支払った10円のことは、オプションのプレミアムと呼びます。 これにより、株価が大きく上がれば買主は大きく儲かりますが、大きく下がっても 、プレミアムの10円だけの損ですみます。 買わないほうを選択すれば、値下がりによる損は被らないからです。 これは一見オプションを持っている人に有利な契約に見えますが、そうでも ありません。 株価が動かなければプレミアムの分だけ損をするので、得だとは言い切れない からです。 実際には、オプションを持つ人も与える人もプロ同士が複雑な確率計算をして、 プレミアムを何円にしたらお互いの損得が平等になるかを考えながら取引している わけです。 あらかじめ定められた価格で証券などを買う権利をコールオプション、売る権利 をプットオプションと呼びます。 いずれの場合も、プレミアムを払って権利を持つ人と、プレミアムをもらって権利 を与える人がいるわけです。 |