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     <海外投資の基礎知識>

【証券化

                    「初心者のためのやさしい金融」 塚崎公義・山澤光太郎 著
     
     企業や銀行が資産として保有している貸付債券や不動産などを流動化
   、投資家に売却して資金を調達する手法。
     特別目的会社などを作り、そこに資産を売却し、特別目的会社が発行する
   債券を投資家に売って売却資産の代金を受け取る仕組みが多い。


     ある企業がペーパーカンパニー(実態のない会社)を作り、そこに保有する
   賃借ビルを譲渡したとします。
     その会社が社債を発行し、社債発行代金として投資家から受け取った資金を
   企業からの賃借ビル購入代金に充当するようなスキームを、「賃借ビルの証券化」
   と呼んでいます。

     ペーパーカンパニーは、企業から譲り受けた賃借ビルからの家賃収入で
   社債の返済を行っていくというわけです。
     賃借ビルだけでなく、住宅ローンや自動車ローンなども証券化することが
   出来ます。

     この際に発行される証券を、資産担保証券ABS証券)と呼びます。


     証券化することにより、企業や銀行は資産を売却して資金を得た形になる
   ため、得た資金で借金を返せばバランスシートが身軽になります(資産と負債
   が両建てで小さくなります)。
     ROA(総資産利益率)を高めようと考える企業にとって、総資産が小さくなる
   ことはプラスだといえるでしょう。

     また、銀行にとっては、貸し出しなどのリスク資産を圧縮することは、BIS規制
   (自己資本の額をリスク試算の8%以上に保たせる規制)をクリアするために有益
   です。


     また、資金調達の手段としても証券化は役に立ちます。
     資産の一部を譲り受けたペーパーカンパニーが高い格付けを取得する方が、
   信用力の低い企業が担保付で資金を調達するよりも、低利で資金を調達できる
   場合もあるからです。
     


     ★★★★★★★ 日本の財政は持続可能か? ★★★★★★★

    わが国の政府財政(一般会計)は、10年ほど前の小渕政権当時から
   赤字国債に頼ってきた。
    その赤字国債の累積が850兆円を超え、一説には地方自治体・特殊法人の
   隠れ借金まで含めると、1,200兆円を超えるといわれている。

    このような不摂生な財政を続けることは、可能なんでしょうか?
    平成18年度と平成19年度の歳入歳出予算より、考察してみます。


    下記は、「平成19年度一般会計歳入歳出概要」(平成18年12月24日発行)
   のインターネット公開資料から、抜粋したものです。
    
                   平成18年度    平成19年度
     歳入の部(単位:兆円)
        租税及び印紙収入   45.9(57.6%)    53.5(64.5%)
        その他収入       3.8(4.8%)     4.0(4.8%)
        公債金        30.0(37.6%)    25.4(30.7%)
         合計        79.7(100%)     82.9(100%)

     歳出の部(単位:兆円)
        国債費        18.8(23.6%)    21.0(25.3%)
        地方交付税交付金   14.6(18.2%)    14.9(18.0%)
        一般歳出       46.4(58.2%)    47.0(56.7%)
         合計        79.7(100%)     82.9(100%)

     歳出を項目別に多い順に並べますと
        社会保障費      20.6(25.8%)    21.1(25.5%)
        国債費        18.8(23.6%)    21.0(25.3%)
        地方交付税      14.6(18.3%)    14.9(18.0%)
        公共事業        7.2(9.0%)     6.9(8.3%)
        文教及び科学振興    5.3        5.3
        その他事項       5.1        5.2
        防衛費         4.8        4.8
        経済協力・エネルギー対策他 2.3        2.8
        恩給関係        1.0        0.9

 
    支出と効果(恩恵?)を分析すれば、無駄使いと思われる項目は沢山
   ありますが、そのテーマは別に譲るとして、財政の健全性を保つ視点から
   国債費よりも、公債金額のほうが平成18年度は11.2兆円、19年度は
   4.4兆円多いこと。
    これは、毎年赤字国債の発行額が、国債の利払い及び満期償還金よりも
   大きく、累積赤字が相も変わらず増え続けていることを意味します。

    日本国は、こんな財政を10年数年以上にわたり、平気で続け、今やその累計
   金額が GDP(約500兆円)の1.7倍〜2.4倍になってしまったのです。

    一般論ですが、国の財政破綻が起きるのは、GDPの2倍から2.5倍位
   累積赤字が溜まった時だそうです。
    ローマ帝国も、大英帝国もブラジルもトルコも、その辺りの水準から
   国がおかしくなっていったようです。
    すると、日本はすでに警戒水準を越えていることになります。

    もうひとつ、「個人国債の発行」も最終警告の証とする説もあります。
    過去、国の借金を機関投資家が引き受けてくれなくなって、やむを得ず
   個人に頼った事例では、その後、ほとんどの国が破綻しました。
    債券を発行する側からの理論では、金融機関よりも有利な条件(低金利)
   で発行できるからです。
    きつい表現をすれば、個人の金融知識の弱みにつけ込んだ集金システム
   と言えるかもしれません。
    当然?個人投資家には、国家財政破綻(デフォルト)の想定はないと
   想像するからです。 ご参考→買ってはいけない!個人国債


    日本国にとって、最も罪作りなのは、財務官僚が「借換債」という化け物
   を発明したこと。
    赤字国債が満期償還になった時に、借金返済の財源不足を補うために、
   通常の赤字国債(発行に国会の承認が必要)とは別に、国会の審議が不要な
   「借換え債」を発行して、その金(借金)で、支払うという仕組みです。

    国は、借金で借金を返しながら、その借金総額を雪だるまのごとく
   増加し続けているのです

    サラ金の借金を別のサラ金から借りて払う、自転車操業(サラ金地獄)
   
と、なんらかわりません。

    個人であれば、とっくに金融機関から見放されているはずですが、国が
   発行した借金証書(借換え債)には、国の担保がついていると信用している
   或いは、国家権力で保護されてきた金融機関は、地獄までの道連れと覚悟を
   決めているのかもしれません。
    極論ですが、「金融機関は、国にだまされている(脅されている)」と
   考えざるを得ません。

    借換え債の仕組みさえあれば、赤字国債の償還金が膨らむのを心配しない
   で、好きなだけ発行できることになります。

    頭の良い財務官僚ですから、国会審議で厳しく追求される「一般会計」とは
   別の帳簿外で発行できる逃げ道を考えたのは流石です。
    こんな便利な仕組みに、利権アサリの無責任政治家が乗らないはずは無い
   でしょう。

    しかし、いずれは「ババを引く」ものがいなくなると(国債札割れ)、
   次年度予算策定ができなくなる事態が訪れることを危惧します。

    既に財政の累積赤字は、引き返すことのできない水準を越え
   「破綻するか否かでなく、破綻時期はいつか、が問題である」段階です。
    

    森本亮氏は、「借換え債」を評して、「亡国の技巧」と警告しておられ
   ます。 日本国破産への最終警告・森木亮著

    世界第二位の経済規模を誇る我が日本ですから、専売特許の
   「問題の先送り」を繰り返しながら回復をはかるでしょうから、経済に神風
   が吹けば、破綻しないかもしれません。

    しかし、重要なことは、「リスク管理」の思考です。
    財政破綻は起きないかもしれないが、起きる可能性もある。
    「可能性がある限り、それに備えるべき」というのが、私の基本スタンス
   ですから、想定されるリスクに対しては、対策も必要と判断いたします。

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